年金の「被保険者記録照会回答票」で過去の常勤性を示す(建設業許可申請)

今、建設業許可の新規許可案件を進めているのですが、そういえばGATENJUKUとして取り上げたことがなかったなというネタが1つ出てきました。今回は、年金の「被保険者記録照会回答票」についてです。被保険者記録照会回答票とはどんなものなのか、代理で取得するときにはどうしたらよいのかについて解説していきます。

文末には、被保険者記録照会回答票を代理取得するための委任状をダウンロードできるようにしてありますので、本記事とともにご活用いただければ幸いです。

過去の常勤性を示すために「被保険者記録照会回答票」を取る

建設業許可の申請や届出において、年金の被保険者記録照会回答票を取得することがあります。それは、専任技術者を置くのに実務経験が必要な場合です。実務経験が必要になる専任技術者としては、次の5つが考えられます。

  • 学歴不問で10年以上の実務経験者
  • 高校、中等教育学校の所定学科卒業+5年の実務経験者
  • 大学、短大、高専の所定学科卒業+3年の実務経験者
  • 専修学校の所定学科卒業+5年(専門士・高度専門士は3年)の実務経験者
  • 一部の資格(ex.第2種電気工事士、2級技能士など)+1年か3年か5年

これらの実務経験を証明する際、実務経験証明書(様式第9号)に記載して提出することになっています。行政庁によっては実務経験証明書に記載した期間その会社に本当に常勤していたかを示す必要があります。

これには、常勤していなければ年間を通じて経験を積んだとは言い難いという考え方が根底にあるようです。東京都や関東地方整備局はその典型です。その時によく使われるのが、タイトルにもある年金の被保険者記録照会回答票です。

「被保険者記録照会回答票」はどんなもの?

年金の被保険者記録照会回答票とはどんなものなのかを見てみましょう。

被保険者記録照会回答票には、いつからいつまでどの年金だったのか、また国民年金以外であればどこの会社で厚生年金等に加入していたのかが、ズラーっと表示されて出てきます。建設業の実務経験を積んだと証明する会社で社会保険(厚生年金)に加入してくれていれば、その会社に何年在籍していたのかが一目瞭然です。

この年金の被保険者記録照会回答票を発行してくれるのは年金事務所なのですが、日本全国どこの年金事務所でも取得することができます。会社の最寄りか住所地の最寄りじゃないとダメかと思っていたので、初めて取得したときに「意外だなぁ」と思った記憶があります。

また、ご本人であれば、最近はねんきんネットでも電子版の被保険者記録照会回答票が取得できるようです。ねんきんネットの利用には登録が必要ですので、詳細はねんきんネットのHPをご確認ください。

ちなみに、電子版の被保険者記録照会回答票には「電子版」と記載されるようです。電子版でも確認資料として有効かどうかについては、行政庁に事前にご確認ください。(東京都および関東地方整備局では有効とのことでした。)

「被保険者記録照会回答票」を代理取得するときの注意点

さて、被保険者記録照会回答票ですが、「年金の加入記録なんてめちゃくちゃ個人情報なので、代理人では無理だろうな」と初めて取得するときには思ったものです。しかし、委任状があれば代理人でも意外とあっさり出してくださいます。しかし、この委任状は何点か注意しなければならない点があります。

委任状のダウンロードはこちらから

1つは、最低でも取得する方(委任者)のお名前は自署することになっている点です。word等で作成・印字したものに認印を捺印するだけでは、年金事務所の取り扱い上NGとなっています。年金記録にカタカナで登録されている可能性があるため、フリガナも忘れずに記入してもらいましょう。なお、押印は不要になったようですが、弊社では念のため捺印をいただいております。

<2022.5.10追記>
気になって年金事務所に確認したところ、現在は署名も押印も不要になったとのことです。しかし、ご本人からの正式な委任であることを示すためにも、署名だけはもらっておいた方が良いかと思います。

別に社労士法に違反して社労士業務をやっているわけではないのですが、年金事務所に行くのは個人的にはなんとなく抵抗があります。しかし、お客様の手間を極力省きたい私は、年金の被保険者記録照会回答票を代理取得するようにしています。もう1つは、委任状に基礎年金番号を明記しておくことです。これは絶対ではないのかもしれませんが、明記されていると手続きがスムーズです。基礎年金番号がどうしてもわからないという場合は、年金事務所に相談してみてください。

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